創る楽しみを提供するショップ
今回の探検隊シリーズは、前回の「包丁を楽しむにはまず研いでみること」に続いて、合羽橋道具街の「元祖食品サンプル屋」というショップを訪問しました。
「食品サンプル」については、初回の「かっぱ橋道具街を探索せよ」にて「東京美研」さんを取材させていただいておりますが、今回の「元祖食品サンプル屋」さんの場合は、単に食品サンプルを購入するだけでなく『創る楽しみ』を提供しているユニークなお店。
この「元祖食品サンプル屋」は、創業88年の歴史を持つ株式会社岩崎が運営している一般消費者向けのブランド。まだ食品サンプルは食品模型や料理模型と呼ばれていた昭和7年、創業者の岩崎瀧三が、試行錯誤の後にオリジナルの製造方法を編み出し事業化しました。
創業当時の昭和初期は、大衆食堂が市場に多く登場した時代ですから、多くの飲食店に食品サンプルが流通していったのです。
食品サンプル製作キット
元祖食品サンプル屋に足を踏み入れて、最初に目についたのはスパゲッティのサンプル。麺の部分がフォークで持ち上げられている状態のものです。
初めて飲食店の店頭でこのサンプルを見た時は「面白いアイデアだなあ…」と思ったものです。そしてよく見ると、サンプルの陳列棚の下に、ダンボールの小さな箱が置かれていました。お店の方に聞くと、これは「自分で作る食品サンンプル製作キット」であるということ。
この商品は「自分で作る食品サンプル製作キット:さんぷるん」というシリーズで、前述のスパゲッティ以外にも、ピザ、チャーハン、ラーメン、冷やし中華などがあり、他にもビールやメロンフロートなどのドリンク、かき氷、アイスクリーム、パフェなどのシリーズが揃っていました。
この「さんぷるん」には、昔ながらの蝋(スパゲッティの麺の部分は蝋が使用されている)以外にも、最新の樹脂素材などのパーツや、ある程度完成した具材などが梱包されており、アイスクリームを作るためのホイップ状のクリームも、チューブに入ったシリコンで提供されています。休日にプラモデルを作るように食品サンプル作りにトライしてみてはどうでしょう。
食品サンプルの技術を生かしたユニークで楽しい商品も販売
店内にはさんぷるん以外にも、マグネットやキーリングをはじめとしてペン立てや、メモスタンド、単語帳などの文具やオリジナル小物も多く販売されていました。ユニークなプレゼントとしても喜ばれそうです。
さらに店内には、食品サンプルの製造工程が簡単に展示されており、こちらも興味津々。