ゴミは宝の山!? 発想力あふれる「段ボール工作」
そんな「子どもの力」を目の当たりにしたのは、まだ小さかった末娘が作った、驚きの「段ボール工作」だった。
子どもにとっては、ゴミも立派な工作材料になる。例えば、お菓子やティッシュペーパーなどの空き箱、ペットボトル、食品用ラップフィルムやトイレットペーパーの芯、新聞紙やチラシ…、そして段ボール。
中でも、段ボールはある程度の大きさと硬さがあり、ベースとなるボックス形がしっかりしている。それでいてハサミやカッターでも切りやすく、使い勝手がいい優れものだ。
そんな段ボールを使って、まだ小学校低学年だった末娘が作ったものは、“駄菓子の自動販売機”! お金を入れて、欲しい商品のボタンを押すと、下の商品取り出し口からちゃんと出てくるという仕掛けになっていた。
もちろん、お金は入れる穴があるだけで、入れなくてもボタンを押せば出てくるのだが、ボタンを押すと、内部で商品が押されて奥の穴から落ちるという構造を、自分自身で考えて作ったのだということに驚いた。
さらに何年か経つと、今度はカプセルトイマシーン、通称“ガチャガチャ”まで作っていた。当時、娘は、世間の同世代の子どもたちとご多分に漏れず“ガチャガチャ”が好きで、近所の大手スーパーなどでよくやっていたので、カプセルはたくさん持っていた。
そのカプセルの中に、いろんなモノを入れてマシーンの中に格納し、外のレバーを回すと、これも“自動販売機”の時と同様に、下の取り出し口から出てくる。どちらの時もそうだが、内部の構造がどうなっているのか、マシーンの上蓋を開けて思わず見てしまったほど感心させられた。
他にも小さい頃から、電車ごっこ用にひもでつなげた車両や、本を整理して入れられるボックス、片付けの時にモノを乗せていっぺんに運ぶための台車、ビー玉を転がしながらスタート地点からゴールまで動かす迷路など、彼女の作品は数知れず。
思いついたものを無心に、そしてあっという間に作り上げていくのだ。呼び鈴のあるドアやポストも付いていた段ボールハウスは、室内にインターフォンまであり、なかなかリアルだった。
それだけ、周りのモノゴトをしっかり観察しているということと、リアルに似せて作るにはどんな材料を使えばいいか、柔軟な発想力で考えているという証拠だろう。大人が何の気なしにゴミとして捨ててしまうモノでも、子どもにとっては興味津々の遊び道具になり得るのだ。そこに、「発明家」たる所以がある。