定規の定義
まずは、定規という言葉の意味を調べてみましょう。
定規:線を描く、または物を裁断する時にあてがって用いる道具
定規は直線や曲線を引く時や布をまっすぐ裁断する時に、手書きの文字の形と大きさを整えて書くために使われます。直線や曲線、文字などの「形を整える」ことが目的なので、長さを測るための目盛りがついていないものもあります。
また、定規には直線や曲線を引くだけではなく、円を描くタイプや整った文字を書くタイプなど数十種類あります。代表的なものには以下があります。
- 直線定規:直線を引く
- 三角定規:平行線や垂線を引く
- 円定規 :円を描く
- ひらがな文字定規:文字を書く
- 数字定規:数字を書く
- 雲形定規:曲線を引く
物差しの定義
物差しは、物の長さを測るために目盛りがついた直線状のものです。
直線の物差しの場合、その形から直線を引くこともできるので、直線定規の代用が可能です。
また、「物差し」という言葉は物の長さを測るという意味から転じて、人や物事の価値を測る尺度という意味も持っています。
あの言葉の本当の意味を考える
ここで「定規」と「物差し」の言葉の定義を、改めてまとめてみましょう。
定規:直線や曲線を引くときに使う
物差し:物の長さを測るときに使う・物事の価値を測るときに使う
定規と物差しは使い方そのものが異なるので、「何センチメートルなのか定規で測る」や「物差しでまっすぐな線を引く」という表現は、実は間違いなのです。
この意味を考えると、「自分の物差しで他人をはかる」という言葉がありますが、これは「物差し」が「長さを測る」という意味を持っているから成立する訳で、「直線や曲線を引く」という意味を持つ「定規」では成立しないことが分かります。
見た目が似ているからといって「自分の定規で他人をはかる」とは、言えないのです。定義を理解していれば、昔からある言葉の真意もしっくりくると同時に、言葉の面白さを感じられますね。