素朴さが魅力の「クラシック・プー」。
童話『クマのプーさん』を知らない人はおそらくいませんよね?
たとえ原作は読んだことがなくても、ディズニーのキャラクターとして世界中で愛されている、あの「クマ」です。
ディズニー版のプーさんももちろんカワイイのですが、筆者はファンの間で「クラシック・プー」と呼ばれる原作に出てくるプーさんのほうに愛着を感じてしまいます。
ディズニー版のプーさんに触れるより前に、岩波少年文庫の『クマのプーさん』や『プー横丁にたった家』に親しんでいたからかもしれません。
原作はイギリスの作家A.A.ミルンによって書かれ(翻訳は石井桃子の名訳!)、挿絵はE.H.シェパードによって描かれています。
上の写真がE.H.シェパードによって描かれた「クラシック・プー」なのですが、ディズニー版とは結構違いますよね?
プーさんのモデルはNYにいた!
で、このプーさんのモデルとなったのは、A.A.ミルンが息子であるクリストファー・ロビンのためにロンドンのハロッズデパートで買い求めたテディベアだと言われています。
ちなみに念のために記しておきますが、童話『クマのプーさん』はクリストファー・ロビンと「プー」と呼ばれるクマのぬいぐるみにまつわる物語です。
このお話に出てくる、つまりはクリストファー・ロビンが買ってもらったテディベアは、なんと今でもちゃ~んと保存されていて、ニューヨーク公共図書館に展示されています。
ところが、です。
お話のプーさんはこのニューヨーク公共図書館に展示されているテディベアがモデルですが、原作の挿絵のプーさんのモデルとなったのは挿絵を描いたE.H.シェパードの息子が持っていたテディベア「グロウラー(鳴き笛)」ではないかと言われているんです。
(ややこしいですね~)
「グロウラー」というのは、ぬいぐるみを寝起きさせると鳴き声を発する仕掛けのことです。
世界初のテディベアをつくったシュタイフ社。
で、上の画像は、我が家にもうかれこれ20年以上いるテディベアです。
創業1880年、ドイツの老舗ぬいぐるみメーカー、シュタイフ社のテディベアです。
横に倒すと「めえぇぇぇぇぇ」という羊のような声を発します。
「コレ、グロウラーってやつじゃね?」「もしかしてプーのモデルになったやつじゃね?」と思っていろいろと調べてみると、我が家のテディベアは「Classic Teddy bear 1909」という1909年に発売されたテディベアの復刻モデルでした。
(オフィシャルサイトを見たら、現在は39,600円もするではないですか!!)
E.H.シェパードの息子が持っていたテディベアが、シュタイフ社のテディベアだったかどうかは不明なのですが、時代的にも、見た目的にも、グロウラーの仕掛けがある点においても、この「Classic Teddy bear 1909」に近いものだったんじゃないかと勝手に想像しています。
我が家のテディベアは毛並みはボロボロだし、色もだいぶくすんじゃってるし、後ろに支えがないとそのまま倒れちゃって「めえぇぇぇぇぇ」ってマヌケな音を発するんだけど、もしかしたら「プーの原作のモデル」かもしれないし、なにより39,600円もするんだったら、もう少し大切に扱わないと、と思う今日このごろでした。
いや~それにしても、シュタイフのテディベアって、いいお値段するんですね!