口につけた時に感じる、気品ある薄さ。
第一印象は「薄っ!」でした。
どこまでがビールで、どこからがグラスなのかがわからないくらいに薄かったんです。
でもって、その佇まいは上品かつ繊細。手に持ったら割れてしまうんじゃないかと、けっこう緊張しながらグラスを口に運ぶと、唇に触れたグラスの感触がひんやりと心地よく、気がついた時にはビールが喉の奥をスーーーッと流れていきました。
う、うまい!
カルチャーショックといったら大袈裟かもしれませんが、ちょっとした衝撃だったのは間違いありません。
そのグラスの名前は「うすはり」。
後日、筆者はたまたま(本当にたまたま)、この「うすはり」を製造する東京・錦糸町にある松徳硝子の工場を取材する機会に恵まれました。もう10年以上も昔のことです。