第1問
わたしたちが「ホッチキス」と呼んでいる書類を束ねるための文具。これの針(芯ともいいますね)はなんと呼ぶでしょうか?
正解は「ステープル」。JIS規格上の正式名称は「ステープラ用つづり針」といいます。
この名称は、もともとは電気のコードなどを壁に固定するコの字状の針(ステープル)のことを指していたようで、18世紀頃のフランスにおいて紙綴じ用の文具として応用されるにいたって定着しました。
ステープルを打ち出す本体の方はステープラが正式名称となります。
余談ながら、ホッチキスという呼称が一般化したのは、明治36年(1903年)、日本で初めて伊藤喜商店が輸入・販売した製品がアメリカのE・H・HOTCHKISS社製のモノだったため。当時は特に呼び名がなかったので、商標名のホッチキスがそのまま使われ、巷に広まったといわれています。
また、ステープラは、このE・H・HOTCHKISS社の創業者であるベンジャミン・バークリー・ホッチキスが「機関銃の構造を元に発明した」と長らく語られてきましたが、実はそれを証明する文献や記録は見つかっていないのだとか。あくまでも俗説の域を出ないようです。
第2問
ボールペンの正式名称は?
正解は「ボールポイントペン」。
ペン先にあるボールがクルクルと転がりながら、本体のインクを紙に擦り付けていくという原理自体は、多くの方がご存じかと思います。このボールポイントの“ポイント”が略されてボールペンと呼ばれるようになったのだそうです。
第3問
円を描いたり、線分の長さを測って移す時に使うコンパスの正式名称は?
この文具、今ではすっかりコンパスという名が定着していますが、本来コンパスは方位磁針の意味ですよね。和名の正式名称はなんと「規(ぶんまわし)」。江戸時代には、烏口(からすぐち)などとともに、すでに製図器械の一つとして作られるようになり、洋式文廻しなどと呼ばれていたそうです。
また、2本の脚の開閉によって角度を自由に変えられるところから「両脚器(りょうきゃくき)」、あるいは「円規(えんき)」などとも呼称されます。
第4問
消しゴムが付いている鉛筆の、この金具部分は何?
お尻の部分に消しゴムが付いているタイプの鉛筆で、本体と消しゴムをつなぐ金属の鐶(Dカンやナスカンの“カン”ですね)は、「フェルール(Ferrule)」と呼びます。
電線と電線をつないだ時、そのつなぎ目を圧着する円筒形の金属部品もフェルールといいますが、要は「つなぎ手」を意味する言葉です。
ちなみに、鉛筆を人差し指と親指でつまんで揺らすと、鉛筆がグニャグニャと曲がって見える錯視現象の正式名称は「ラバー・ペンシル・イリュージョン」といいます。「だから何?」と言われてしまうとそれまでですが……(笑)
第5問
お店でお会計を済ませる時に見かける、この釣り銭皿は?
こちらは案外ご存じの方がいるかもしれませんが、正式名称は「カルトン」。フランス語で「紙でできた器」を意味し、日本では昭和初期(1927年頃)に輸入され、銀行の窓口や商店で使われるようになりました。
いかがでしたか。どれもこれも明日から誰かに語れる雑学ばかり?(汗)。
ふたたび機会があれば、文具にまつわるクイズをまとめてみますので、どうぞお楽しみに!