1. ホーム
  2. モノを知る
  3. 道具を知る
  4. 三角定規の中心に穴が開いてるのはなぜ?

三角定規の中心に穴が開いてるのはなぜ?

学生の頃、何度もお世話になった三角定規。定規の真ん中に、丸型の穴が開いているのを、よく見かけたと思いますが、そういえば、何のために開いているのでしょうか? 一見、何の変哲のないただの穴かもしれませんが、実はちゃんと重要な役割があったのです。

学生の頃、何度もお世話になった三角定規。そういえば、定規の真ん中に穴が開いていたのを覚えているでしょうか? あの穴って、何のためのもの…? 小学生の時に、鉛筆を入れてクルクル回して遊んでいたという人もいるかと思いますが、間違ってもそのための穴ではないはず。 では、何のために開いているのでしょうか? 実は、ちゃんとした理由があったのです。

定規と用紙を固定する

定規で線を引く時に重要なのは、定規を固定すること。指で同時に用紙と定規を押さえることが必要になります。特に、三角定規の場合は面積が大きいので、用紙を押さえにくくなります。そこで、指を入れて用紙を押さえられるよう、中心に穴を開けています。穴に指を引っかけられるので、紙の上で定規をずらすこともスムーズにできます。

紙との摩擦を減らす

三角定規は普通の定規と違い、平行線を書く時など用紙を滑らせながら使います。そんな三角定規にとって、天敵となるのが摩擦。先ほど書きましたが、三角定規は普通の定規と比べて用紙に触れる面積が大きいので、用紙の上で動かしても滑りにくくなります。しかし、真ん中に穴を開けることで摩擦を減らし、紙の上をスッと動かせるようになります。

空気を抜く

三角定規に穴が開いていないと、定規と紙の間に空気が入り込んで、線が正確に引けなくなる可能性があります。こちらも三角定規の面積が大きいことが理由。線が正確に引けないと、定規としての役割を果たしているとは言えないですよね。そこで、活躍してくれるのが真ん中の穴。中に入り込んだ空気が穴を通して抜けやすくなり、三角定規と紙の密度を高めてくれる役割を果たしているのです。

変形を防ぐ

三角定規の主な素材はプラスチックです。つまり、熱で変形しやすいので、夏は若干大きく、冬は若干小さくなってしまいます。しかし、定規は正確な長さを測るために使われている道具。夏と冬で大きさが変わってしまっては、正確な長さを測ることが難しくなってしまいます。そんな時に役に立つのが、真ん中の穴。穴が開いていることで、熱による伸縮を調整することができ、定規の変形を防いでくれるのです。

ちなみに、三角定規の穴に丸型が多いのは?

用紙を固定する、摩擦を減らす、定規と用紙の間の空気を抜く、変形を防ぐと、一個で何役もこなす三角定規の穴ですが、勘の鋭い人は「穴だったら、別に丸型じゃなくてもよいのでは?」と、考えるのではないでしょうか。確かに、穴が四角形でも星形でも役割は変わらない気がしますが、実は三角定規の穴に丸型が多いのも、ちゃんと理由があったのです。

もし、三角定規の穴を四角形や星形など角があるデザインにすると、角の部分に力が集中してしまい、そこからヒビ割れが生じて破損の原因になることがあります。よって、力が均等に分散する丸型の穴が一番多いのです。そこまで考えられて丸型の穴が開いているのは、驚きですよね。

たかが、三角定規の穴…と、思っていた人も多いかもしれませんが、実はかなり重要な役割があったのです。三角定規の使い道を考えると、あの穴は絶対必要ということが分かりますし、鉛筆を突っ込んでくるくる回す…ということも、もうできなくなりそうです。