1. ホーム
  2. モノを楽しむ
  3. モノ好き人
  4. ツバの裏に秘められた理由──ベースボールキャップの「アンダーバイザー」って何?

ツバの裏に秘められた理由──ベースボールキャップの「アンダーバイザー」って何?

こんにちは。 今日は、ベースボールキャップのちょっとマニアックな話──ツバ裏の色(アンダーバイザー)について書いてみようと思います。 実はこの“見えにくい場所”、ちゃんと理由があるんです。

1. ツバ裏の色、気にしたことありますか?

 

街中でよく見るキャップ。
上から見ると黒や紺、チームカラーが目立ちますが、ふとツバをのぞくと…
裏の色がグリーンやグレー、ブラックなど、微妙に違うことに気づきませんか?

それ、実はまぶしさを抑えるための工夫なんです。

2. グリーンは“伝統と安心感”の色

まずはクラシックな「グリーンのアンダーバイザー」。ニューエラ(New Era)社がMLB公式キャップを供給し始めたのは1934年から。その後、1950年代にかけてツバ裏の仕様が整備されグリーンが定番となりました。

  • 太陽光や照明の反射を防ぐ

  • 緑色は目に優しく疲れにく

いわば、選手の目を守るための実用品だったんですね。ツバ裏が緑色になっていたら、80年代より以前のビンテージ商品(状態が良い物はもう残っていなさそう…)、もしくはその時代を意識したカラーリングです。

3. グレーは“現代スタンダード”の色

90年代以降、登場したのが「グレーのアンダーバイザー」。現在では59FIFTYの定番カラーとなっています。

(1)視界の「中立性」が高い

  • グリーンは「目に優しい」色ではあるものの、視覚的に芝や背景との色干渉を起こすことがある。

  • グレーは中間色で視界への影響が少なく、ボールやピッチャーの動きがよりクリアに見える

  • 特にナイターやドーム球場など、人工照明下での視認性が高い。

(2)光の反射を適度に抑える

  • グレーは適度に光を吸収しつつも、完全に沈まず、まぶしさと暗さのバランスが良い

  • ブラックほど重くならず、長時間の着用における目の負担も軽減される。

(3)ファッション性と汎用性の高さ

  • グリーンよりも現代的・無機質・ニュートラルな印象

  • チームカラーを邪魔しないので、どんなデザインにも合わせやすい

  • ストリートウェアやライフスタイルアイテムとしても受け入れられやすくなった。

(4)メンテナンス性

  • 汚れが比較的目立ちにくく、経年変化も穏やか。

  • 選手や一般ユーザーの実用面での使いやすさも評価された

まさに“万能色”。
因みに私が持っているキャップの中では、ジャイアンツのビジター用デザインがツバ裏「グレー」です。

参考1:グリーンとグレー比較表

特性

グリーン

グレー

光の吸収

強い(目に優しい)

適度

色干渉

芝とやや重なることも

ほぼない(中立)

視認性(ナイター)

やや弱い

高い

印象

レトロ・クラシック

モダン・都会的

ファッション用途

レトロ系、復刻

汎用性高く人気

参考2:年代別の移り変わり(MLB)

年代

ツバ裏カラー傾向

1930s以前

ノーカラー or 同色系ツバ裏(布地のみ)

1940〜1980s

グリーンがMLB標準色に

1990s

グレーが公式モデルに導入(ニューエラ)

2000s〜

ブラック/カラーなどバリエーション拡大

4. ブラックは“集中の色”

(1)最大限の光吸収=「視界のノイズ除去」

  • 黒は光をほとんど反射しないため、余計な反射やまぶしさを完全にカット

  • 特に近年のMLBやプロスポーツでは、ナイターやLED照明がより強く・鋭くなっており、黒のツバ裏はその照明を最も効果的にブロックするカラーとなっています。

  • 実際に多くの選手が「目の疲労が軽減する」と語っています。

(2)集中力を高める“ゾーン色”としての黒

  • ツバの裏が暗ければ暗いほど、視線が前方に集中しやすい

  • これは心理的にも、視覚的にも「ゾーンに入る」状態を作りやすく、プロ選手にとってはパフォーマンス向上に直結する要素。

  • 実際、MLBでは2000年代以降から徐々に黒裏モデルが増加

(3)ファッション性と統一感

  • 黒はどんな色とも調和し、ユニフォームやコーディネートの邪魔をしない

  • 近年のNEW ERAキャップでは、「ボディ:ネイビー or ブラック × アンダー:ブラック」が
     ブランドのアイコン的カラーリングとして定着。

  • ストリートでも「オールブラック」や「モノトーン」が人気。

(4)実用面でのメリット

  • 汚れが目立たない → 長く綺麗に見える

  • 経年劣化による色褪せもグリーン・グレーより気になりにくい

近年手に入れた手元のキャップは9割型「黒」でした。

5. カラーアンダーバイザーは“遊び心”

最近ではチームカラーや限定モデルに合わせて、レッドやブルー、パープルなどカラフルなツバ裏も登場しています。

これはもう完全に「遊び心」。ツバを持ち上げたときにチラッと見える色で、自分らしさを演出できる楽しい要素です。

6. 結局、どの色がいいの?

勿論、正解はない!
だけど、ひとつだけ言えるのは、どの色にも“理由”があるということ。

特徴

向いている人

🟩 グリーン

クラシック/目に優しい

レトロ好き/MLBファン

 グレー

現代的/万能

迷ったらこれ/バランス派

⚫ ブラック

集中/シャープ

スポーツに全振り/シンプル派

🎨 カラー

個性/遊び心

自分だけのスタイルを楽しみたい人

7. まとめ:ツバ裏の色も、スタイルの一部です

表のロゴや色だけじゃなく、
裏の色まで気にしてキャップを選ぶ──それだけで、キャップの楽しみ方が深くなります。

気分によって使い分けたり、
1つの色にこだわって集めたり。
あなただけの「アンダーバイザー物語」を作ろう。