電話帳が現代でも必要とされるワケ
誰かに電話する時、現代ではスマホが一般的になっていますが、実はそんな世の中になっても、文房具店に未だに注文の問い合わせが入る製品があります。それは電話帳です。
電話帳というと、筆者は子どもの頃に、家の固定電話のそばにあったものという記憶がありますが、スマホが一般的になった現代でも、電話帳の問い合わせは継続的にあるそうです。
問い合わせ主は、ほぼ100%おじいちゃんかおばあちゃん。誰かに電話をかけたい時に、スマホで検索すると、老眼のため画面が小さくて文字が見づらいという理由で、電話帳が必要になるそう。希望が多いのは、圧倒的にだんだん畑のように段になった電話帳。特に人気があるのが、コクヨが出している太罫電話帳です。
探しやすい・見やすい・書きやすいに特化
こちらの電話帳は、見やすさと書きやすさを追求し、記入欄の罫線の幅を12ミリに設定しています。記入項目も「名前」と「電話/FAX等」の2項目と、余計なものをそぎ落としたシンプルデザインで、電話帳としての用途を最大限に発揮した仕様になっています。
電話番号を探す時も、大きくて見やすい見出し文字で探す時もスムーズ。さらに、表紙を開けてすぐのページに「緊急用」、次のページに「常用」を設けており、大切な人の名前や連絡先が探しやすいのも特長です。
表紙もビニールコーディングがされており、耐久性もあるほか、大きなリング付で、かけ外しもスムーズにできるなど、ハード面も充実。「知り合いの電話番号を覚えておく」という目的を果たすには、非常に利にかなった製品になっています。
余談ですが、同じ電話帳でも、冊子タイプの方は情報量が多いので、文房具業界では「住所録」と呼んでいるそうです。記入する情報量も多いので、単に電話番号を探すためのものなら、だんだん畑タイプの電話帳の方が、需要はあります。
アナログゆえの必要性を発見できる電話帳
電話をかけたい人の電話番号を探すという、単機能しかない電話帳ですが、モノの見方を変えれば、一つの機能に特化した便利な文房具と言えるのではないでしょうか⁉
スマホやパソコンの進化で、文房具の世界もデジタル化が進み、多機能のものやお洒落なデザインのものが、増えつつありますが、機能がたくさんついている=便利かというと、そうでもないような気がします。
こういった、親戚や友人の電話番号を書き留めておくためだけに作られた電話帳は、アナログゆえの良さに気づくことができる製品ではないでしょうか。
今は、スマホの電話帳機能で十分というあなたも、20年後に自分が老眼となり、スマホが見づらくなってしまった時に、何を使って電話番号を探したらよいのか…。その時に、電話帳の必要性に気づかされるかもしれません。