IKEA初の都心型店舗が原宿にオープン
IKEA(イケア)家具という店舗をご存知でしょうか。スウェーデン発祥の世界最大の家具量販店で、日本にも千葉県船橋市、横浜市港北、神戸、大阪市鶴浜、埼玉県三郷市、福岡新宮、東京都立川市、宮城県仙台市、愛知県長久手市に店舗を持っています。お気づきだと思いますが、これらの店舗の全てが、どちらかというと郊外に位置しています。すなわち家具を展示し、在庫を備えるには広い土地が必要だからです。つまりIKEA家具は、郊外で大きな土地を有することが店舗の条件でした。
IKEAが東京都内に店舗をオープンすると言うことを聞いたのは、昨年(2019年)のこと、しかも場所は2020年のオリンピックに合わせて改装するJR原宿駅前ということで驚いたものです。確かに原宿駅前には大きなビルが2年越しで建設されていました。
そのIKEA原宿が2020年6月5日、新型コロナウィルス の自粛解除された時期にオープンしましたので、さっそく足を運んでみました。
郊外型IKEAではなくショールームのような店舗
そのIKEA原宿店は、JR原宿駅「表参道口」から、徒歩1分。建設していた建物は全てがIKEAではなく「ウィズ原宿」という複合商業施設で、IKEAは、その2フロアに入居。ちなみに隣は「ユニクロ原宿店」でした。
実際に入店してみると、郊外型IKEAと比べて、あまりに狭さにびっくりします。郊外型店舗では、リビング、ダイニング、キッチン、寝室、子供部屋…などなど、あらゆるインテリアを設置するスペースがシミュレーションされており、それは、顧客にとって「こんな家に住みたい」と思わせるような店舗なのですから。
しかも、施設内には幼いお子さんを預かってくれる保育園のような託児スペースや、大きなレストランもあり、ゆっくり1日かけて買い物に楽しむテーマパークのような施設なのです。
それが、商業ビルのわずか2フロアなので、ここで本当にIKEA体験ができるのかな…と思ったのですが、ところがどうして、入店すると、やはりここは紛れもなくIKEAで、とても楽しい時間を過ごすことができました。
お客さんの多くは独身の若者ばかり
入店してみて、気がついたのは、お客さんの多くは独身と思われる若いカップルや、学校帰りに制服で原宿に買い物に来た高校生たちが多かった。これは郊外型IKEAが家族全員で来店して、家具やインテリアを見て回るのとは真逆の客層だと思います。おそらく、そういう状況を予想して、この店のコンセプトを作ったのではないでしょうか。
普通、IKEAは店内に設置されている黄色いジョッピングバッグを持って、気に入ったものをそこに入れて買い物を進めるのだけど、この原宿店では、ほとんどのお客さんが黄色いバッグを手にしていない。それは若い世代なので、そもそもIKEA体験をしたことがない若者が多いのではないかと思ったりします。
そんな「初IKEA」な若者に対して、原宿店では「自分たちの個室(勉強部屋?)」、あるいは独身男女のワンルームマンションをイメージするような品揃えで、店内には郊外型IKEAと同じように、狭い室内をディスプレイした提案も多くありました。
とりわけ面白かったのは、499円の丸椅子を指差した男子高校生が「おい、これ500円だぜ!」とか、女子高生が999円のテーブルを見て「うっそー、これが1000円なのー!」と大騒ぎしていたことです。
もちろん、少し大きめなテーブルやソファも展示されており、郊外店のような倉庫がないので、お客さんはどうやって買って帰るのかな…と思っていたら、商品にQRコードが付いており、それをスマートフォンでスキャンすると、ネットショップに接続されて購入できるという仕組み。なるほど、店舗とネットを立体的にうまく活用していると思いました。
郊外店に行かなくてもグッズはここで揃う
また郊外店では、モデルルームのような展示以外にも食器や照明器具、インテリア雑貨も多いことが挙げられます。おそらく一度IKEAを訪れ、こうした雑貨のファンになった方も多いでしょう。しかし、そういった雑貨を買いに車を出して郊外店に行くのは大変です。
ところが原宿店ならば、定番になっている食器類、フォトスタンド、造花、キャンドルなどのIKEAオリジナルを購入できるのが嬉しいですね。
そうそう、忘れていましたが、家具も雑貨も思った以上に安価に提供されているのもIKEAの魅力なので、学校帰りの高校生でも買い物ができてしまうのが素晴らしいですね。
また、二階にはレストランではありませんが、小さなカフェも設置されているので、ここでもIKEAの雰囲気を楽しむことができます。とにかく今までは電車やバスを乗り継いだり、車を出さなければ行けなかったIKEA体験が東京のどまんなかで味わえるのは嬉しいですね。ぜひ一度足を運んでみられてはどうでしょうか。