痛みの真っ最中
ある日、仕事で講義をしている最中。
口の中があちこち痛む。
最後に歯医者へ行ったのは、詰め物を補修してから約3年も前だ。
これは…虫歯が大量発生しているに違いない。
涙目になりつつ、姉に紹介された歯医者へ向かった。
心臓が飛び出しそうなくらい緊張する。
まさかの診断
「先生、口の中があちこち痛いんです」
「……虫歯はありません。一部歯石がありますが、歯もとてもきれいに磨けています」
「!?!?!? 本当ですか? でも本当に痛いんです」
「恐らくなんですけど、歯を食いしばるクセはありませんか?」
分かったこと(診察結果)
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虫歯はゼロ
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歯磨きは行き届いており、口内環境は良好
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一部の歯石を取り除く治療を実施
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痛みの原因は“食いしばり癖”で、歯茎と骨の間の組織が捻挫のような状態
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食いしばり癖を改善すれば治癒する
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習慣改善で治らなければマウスピース治療へ
力が抜ける瞬間
全身の力がスッと抜けた。
変わらないと思っていた口内は、ちゃんと健康になっていたのだ。
どうやら、第3回で導入したツール選びと歯磨き習慣は正解だったらしい。
しかし――新たな課題が発生した。
噛みしめの罠
人間が上下の歯を噛み合わせている時間は、本来一日合計で約1時間と言われている。
つまり、たった1時間食いしばり続けるだけで、一生分の負荷を歯にかけてしまう計算になる。
この日から私は、上下の歯が常に離れている状態を意識して作る訓練を始めた。
コラム:食いしばりが引き起こすトラブル
- 知覚過敏
- 歯の亀裂や欠け
- 歯茎や顎関節の炎症
- 頭痛や肩こりの悪化
原因はストレス、姿勢の悪さ、無意識の集中時など様々。
気づいたら口を軽く開けるだけでも、改善の第一歩になる。
第1回から続いた「歯医者との闘い」も、ここでようやく和解の兆しが見えてきた。
――が、新たな戦いは始まったばかりである。