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第5回:前歯の悲劇と「歯を大切に」

虫歯だけが敵ではない。

模範的な日々

歯磨きツールで毎日の習慣を改め、食いしばり癖を抑制し、3ヶ月おきの定期検診も欠かさない。
虫歯ゼロ、歯磨きも褒められ、快適そのもの。

――そんな日々に油断が忍び寄っていた。


暗い駐車場の罠

ある夜、スーパーで買い物を終え、暗い駐車場を歩いていた。
いつものエコバッグではなく、両手にスーパーのビニール袋。すでにフラグは立っていた。

駐車場には歩行ルートが表示されているが、空いているのをいいことに自由気ままに歩く私。
その瞬間――あり得ない衝撃。

縁石に足を引っかけ、転倒。
脳裏によぎったのは「卵が割れる!」というどうでもいい心配。
次の瞬間、私は地面に這いつくばり、目の前には白い何かが転がっていた。

前歯!!!


自宅での誤算

割れた卵を悲しみつつ、折れた歯を拾って帰宅。
傷は浅く縫合の必要なし。
歯を小皿に置き、水で口をすすぐが沁みることはなかった。

友人に電話する。
「前歯折っちゃってさー。セラミックの差し歯っていくら?」
「8〜12万円くらい」
「……だよね(苦笑)」


緊急診療

翌朝、歯医者に連絡。
事情を説明すると、急患で受け入れてくれることになった。

診察結果はこうだ。

  1. 神経は生きている

  2. 歯は温存可能

  3. 拾ってきた歯を再接着

  4. 普通の歯より弱いため飲食・怪我に注意

治療費はまさかの3,600円
先生の技術により、私は日常生活へ復帰できた。


実は間違っていた保管法

一点だけ、私の行動にミスがあった。
歯は乾燥させると状態が悪くなるため、
生理食塩水・牛乳・コンタクトレンズ保存液などに浸して持参するのがベストだという。

私の歯は乾燥で真っ白になっており、唾液で馴染むまでに1ヶ月を要した。


歯と一生付き合うためのマイルール

 

  • 行きつけの歯医者を持ち、定期メンテナンスを受ける

  • 暗い場所を歩かない

  • 指定の歩道を歩く

  • 荷物で両手を塞がない