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午後三時、喫茶店で出会った──忘れられない名「キューピッド」

はじめに──その名も「キューピッド」 ある日、ふと聞いた言葉。「キューピッドって飲み物、知ってる?」

おしゃれなカクテルの話かと思えば、なんとそれはカルピスとコーラを混ぜたドリンクのこと。
えっ、それって美味しいの…?と疑いながらも、なぜか惹かれてしまうその名前。
甘くて、酸っぱくて、少しスパイシー。

飲んでみると、それはまるで子どもの頃の恋心のような、不思議な味がしたのです。


キューピッドの歴史──レトロ喫茶と子ども会の味

「キューピッド」という名前の由来は定かではありません。

けれど、昭和30〜40年代(1955〜1975年頃)にかけて、カルピスとコーラを混ぜた飲み物は、喫茶店の裏メニューや家庭の“ちょっとしたごちそう”として広まっていきました。

当時の子どもたちにとって、カルピスは特別な日の飲み物。
そしてコーラは、外国の風を感じるハイカラなジュース。

そのふたつが出会った瞬間、化学反応のように“ドキドキする味”が生まれたのかもしれません。

一部地域では「キューピッド」や「恋のカクテル」といった詩的な名前で親しまれ、子ども会や文化祭、駄菓子屋のジュースバーでも登場していたそうです。

“飲むと恋が叶う”なんて、そんな言い伝えもあったとか、なかったとか。


基本のキューピッドを作ってみよう!

材料(1人分)

  • カルピス(原液):30ml
  • コーラ:90ml
  • 氷:適量

※カルピスウォーターを使う場合は比率を変えて調整してください。

作り方

  1. グラスに氷を入れる
  2. カルピス原液を注ぐ
  3. コーラを静かに注ぐ(泡立ち注意!)
  4. 軽くステアして完成!

見た目はうっすらと濁ったブラウン
味は、ヨーグルトのような酸味と、コーラの甘さ&スパイスが混ざり合った独特のバランス。

最初は戸惑い、2口目でちょっとクセになり、3口目でなぜか懐かしさに包まれる……そんな不思議な体験。


飲みながら想うこと

キューピッドという名前が、これほど似合う飲み物って他にあるでしょうか。

相反するふたつの味が出会って、どこかで“うまくいってしまう”奇跡。

子どもの頃の無邪気な実験精神と、名前に込められたロマンチックな響き。

そのギャップこそが、このドリンクの魅力なのかもしれません。


次回は──

そんなキューピッドを「大人仕様」に魔改造だ

あなたの夜に刺さる、“ノワールな恋のカクテル”をご紹介します。


🔖 次回予告

第2回:キューピッドに魔法をかけよう──大人のアレンジ編