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誰かに贈りたくなる! 廃棄野菜を活用した「おやさいクレヨン」

主な顔料は捨てられてしまう野菜や果実から採取した天然色素、本体を固めるのは米ぬかから採れた米油やライスワックス。万が一、子どもが誤って口にしてしまっても安全安心な「おやさいクレヨン」をご存じですか?

クレヨンの魅力は、色鉛筆やカラーペンでは表現できない素朴な線を描ける点。未就学児を中心に、最もポピュラーな画材として親しまれています。

そんなクレヨンを、本来は規格外で廃棄されてしまう野菜や、出荷の際にカットされてしまう部位をできる限り使って作り上げたのが「おやさいクレヨン」です。

プロジェクトを企画したのは、青森県に本部を構えるmizuiro株式会社。2013年に開発がはじまり、青森県産の廃棄野菜をリサイクルするかたちで、当初は10色パッケージの販売をスタートしました。

その後、シーズン1から4まで、毎回内容色を変えてシリーズ展開されてきましたが、最近では定番色をセットした「スタンダード」がリリース。デビューから数年が経った今もなお、密かな人気を集めています。

厳格な基準をクリアした確かな安全性

このクレヨン、もともとはグラフィックデザイナーとして活躍しながら、お仕事と子育てを両立してきた木村尚子さん(mizuiro代表)が、長年あたためてきたアイデアを結実させたもの。

素材には、主に青森県が誇る名産野菜の数々が使われているため安全性には十二分に配慮されていますが、製造工程を担うのも愛知県名古屋市にある老舗クレヨン工場に勤める腕の確かな職人さんたち。

JIS規格に沿いながら丹精込めて作り上げられた製品は、世界で最も厳しい検査基準だといわれる欧州規格「EN71-3:2013(Safety of toys Part 3 2013)」の試験をクリアしています。

また、通常クレヨンは、その棒状のかたちを形成するために石油系のワックスで冷やし固められますが、おやさいクレヨンに用いられているのは国産の米ぬかから採れる米油やライスワックスがベース。

食用レベルと同等の天然素材が原料となっているので、クレヨン特有の嫌なニオイもなく、仮に口にしてしまっても人体に悪影響はおよびません。

このところ、2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な17の開発目標)がマスコミでも取り沙汰され、急速に関心を集めています。廃棄物から新たな価値を生み出そうとするこのクレヨンは、まさにSDGsが掲げる概念にフィットした素晴らしい試み。

地球環境や子どもたちの教育や安全について意識の高い子育てママや、ロハスに敏感な人たちからも注目されているようです。

リサイクルから生まれた、気になる10色

開発段階で課題となったのは色でした。本来は主原料であるワックスに顔料を混ぜて作るのですが、野菜の色素を濃縮した液体で試したところ、水と油で分離してしまうため、思うようにいかなかったよう。

ミキサーで細かく砕いた野菜を天日干ししたり、ホットプレートで焼いて乾燥させたものをすり潰したりと数々の試行錯誤を繰り返し、野菜を粉末状にして混ぜる方法に辿りついたのだそうです。

そして、さまざまな苦労を重ねてできあがったのが、雪ニンジン、ゴボウ、キャベツなど、今では定番色と呼ばれるようになった10色のクレヨン。野菜ならではの色合いであることがコンセプトなため、青や水色といった従来色はありませんが、それぞれの野菜をイメージした色が生まれました。

心までポカポカしてくる、やさしい描き心地

実際に使ってみると「なるほど、野菜を素材にしたクレヨン」ということが指先から伝わってきます。

描き味は、既存のクレヨンのような粘りが抑えられ、紙の上で色鉛筆をサラサラっと滑らせるような軽い感触。また、普通のクレヨンのように油っぽさがないので、触れてもベタベタしないのも特徴です。

ただ、自然な色合いを大切にした調色からか、思いの外、鮮やかで強い色は出ないかもしれません。でも、それもまた味。柔らかく、やさしい、水彩画のような雰囲気の絵が描け、これはこれで素敵な創作時間が楽しめるはずですよ。

幼い子どもたちにプレゼントして、親子でお絵描きを楽しむもよし。自分へのご褒美に購入して、日記に添えるイラストなどを描いてみるのもいいでしょう。

製品自体が洒落たギフトとして喜ばれそうですが、色そのものが味わいのある未体験の美しさなので、ご自身が描いた絵を絵手紙として贈ってもいいかもしれませんね。

誰かに見せたくなる、語りたくなる、おやさいクレヨンにはそんな魅力が詰まっています。

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