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サングラス、賢者の選択

そろそろ季節は春から夏へ。陽射しが強くなりはじめるこの時期、自分に合ったサングラスを見つけてみませんか。

陽射し対策として、帽子を被る機会が多くなってきた今日この頃。特に女性の場合は、肌が焼けるのを嫌って日焼け止めクリームを塗ったり、日傘や手袋を身に着けたり、その対処法は多岐にわたります。でも、日焼けの原因となる紫外線は、実は目からも吸収されていることをご存知でしょうか。そこで有効なのがサングラス。今回はサングラスの選び方を深掘りしてみました。

機能性はマスト! でもファッション性も犠牲にしたくない

お肌だけでなく、目が強い紫外線にさらされると、脳が防御反応を発動! 皮膚を守るため、体内にメラニン色素が生成されます。とはいえ、これが過剰に作られると、日焼けはもとよりシミ・ソバカスの原因になってしまうことも。せっかく衣服や装身具、UVクリームなどで万全の対策を行っていたとしても、目が無防備だとすべてが台無しになってしまいます。

というわけで、目の紫外線対策を徹底するのなら、比較的“フレームが大きく”、隙間から紫外線が入ってこないよう“目の周囲をしっかりと保護してくれるデザイン”を選ぶべし! という結論に行き着くのですが、毎日使うものだから、どうせなら見た目にもこだわりたいものです。

基本的にサングラスをかけた時、眉毛がはみ出ているのはどうしても間抜けに見えてしまいます。また、欧米人に比べて日本人は彫りが浅く、鼻が低いのもウイークポイント。「なんかサングラスが似合わないんだよね」とお嘆きの方に共通するのは、このあたりが理由になっているのかもしれません。でも、それをカバーしてくれるのがフレームの形状です。以下はあくまでも一般論ですが、ご自身に合うサングラス選びの参考にしてください。

【丸顔の人】
丸い顔の人が丸みのあるサングラスをすると、自ずと顔の輪郭が強調されてしまいます。そこでオススメしたいのが、スクエア(四角形)やブロー(フレーム上辺にしっかりと存在感があるもの)。直線的でシャープなフォルムを選ぶとスッキリ見えます。

【面長な人】
縦長のフェイスラインには、レンズの上下幅が広いものを合わせるのがセオリー。レトロな雰囲気を出したいならウェリントン(逆台形)、ワイルドな印象を醸すならティアドロップ(涙のしずくのような形状で大ぶり)がいいかもしれません。

【逆三角形の人】
卵型の顔の人は、意外とどんなフレームでも似合ってしまうものですが、逆三角形の人もわりとカタチを選ばないタイプ。オーバル(楕円形)やボストン(丸形でやや逆三角形)で柔和な印象を演出すると、顎やフェイスラインのシャープさが和らぎますよ。

【四角い人】
筆者もこのタイプ。メリハリが強い輪郭には、曲線的なオーバルラウンド(丸形で小ぶり)で全体のバランスを整えるのが最適解。ボストンで柔らかく知的に見せるのもアリです。

このように、自分の顔のカタチと“逆のタイプのフレーム”を選ぶと間違いが少なく、バランスがよいとされています。

ライフスタイルや目的ごとに押さえておきたいポイントとは

単にサングラスといっても、レンズに違いがあります。主な種類は4つ。それぞれの特徴を把握しておけば、ご自分にぴったりなサングラスを見つけやすくなるかもしれません。

【UVカットレンズ】
紫外線対策にサングラスをかけるのなら、UVカット率をおざなりにはできません。例えば、「UVカット率99%」のように、できるだけ数値が高いモノを選ぶのがベターというのはご存知の方も多いでしょうが、よくわからないのがサングラスの説明書に書いてある「UV400」や「UV350」などといった表示。紫外線は波長の長さで3種類に分類され、UV-A(315〜400nm。弱いがオゾン層や大気圏をすり抜けて地上まで届く)、UV-B(280〜315nm。わずかに地上に届く。日焼け時の火照りや炎症を指すサンバーンの原因)、UV-C(10〜280nm。強烈な紫外線だがオゾン層に防がれ地上には届かない)と呼ばれています。例えば、「UV400」なら光の波長を400nmまでカットできるという意味になります。要チェックですね。

【偏光レンズ】
光のギラつきを抑えるためには、どうしてもレンズのカラー濃度を上げる必要があります。その結果、本来見えてしかるべき可視光線の透過率も下がってしまい、視界が確保しがたいサングラスになってしまいます。偏光レンズはその弱点を補い、カラー濃度を必要以上に上げることなく余分な光だけをカット。ビル壁面のガラスや道路、水面などに照り返して乱反射する光を抑えてくれるので、クルマの運転をはじめ、釣りスキーゴルフと幅広いシーンで活躍します。

【調光レンズ】
調光レンズは文字通り、紫外線量が多い時に色が濃くなり、少ない時にはクリアになるのが特長。室内外、昼夜を問わずにかけていられる点が人気です。最近では、紫外線量だけでなく光の強さに反応して濃度が変わるタイプもあり、クルマの運転時に感じるライトや街灯の眩しさなども軽減してくれます。

【ミラーレンズ】
多くのサングラスは光を吸収することで眩しさを和らげていますが、光そのものを反射して目の負担を軽減するというのがミラーレンズのメカニズム。陽射しが降り注ぐ屋外での使用に適しているためか、スポーツサングラスやスキーのゴーグルなどにも採用されています。

また、気になるのはレンズカラー。色の好みは人ぞれぞれですが、当然レンズのカラーリングで視界の見え方が変わり、シチュエーションによっては得手不得手が異なってきます。安易にチョイスすると目の疲れにもつながるので、こちらもサングラス選びでは重要な要素になります。

【グレー系】
黒は最も防眩効果が高い色。また、目に飛び込んでくる可視光線を平均的にカットするので、色調変化が抑えられ、他のレンズカラーよりも自然な見え方になるオールラウンダーです。

【ブラウン系】
眩しさを抑えつつ、コントラストをハッキリさせる効果もあるのがブラウン系。素早い状況変化を目で捉える必要がある曇天時や雨天時のドライブテニスゴルフなどのフィールドスポーツに好適です。

【ブルー系】
一般的に、人が眩しさを感じるとされる黄やオレンジの光を中和してくれるのがブルー系です。アスファルトや建造物への照り返しが多い街中での使用にぴったりで、運転時は対向車のヘッドライトの眩しさを軽減してくれます。

【グリーン系】
青や赤といった刺激的な色味を抑えてくれるので目が疲れにくいのが特長。わりと幅広い用途に対応できますが、とりわけ緑に囲まれたアウトドアシーンでは自然な見え方で眩しさも防ぎます。

【イエロー系】
視界を明るくするのが最大の特長。モノがぼんやり見えてしまいがちな曇天時や悪天候時、光が弱くなる夕方などにかけると、立体的でコントラストのある景色になります。インドアスポーツにぴったり。

脱・威圧感&不審者感、withコロナ時代の賢いチョイス

いまなお世界的に猛威をふるっているコロナ禍。外出時のマスクの着用は、個々人が気軽にできる防疫対策として随分と定着してきました。でも、マスク×サングラスの組み合わせは、なんとなく不審者感が否めませんよね。

なぜ、怪しく感じたり、怖く見えたりするのかは、ひとえに「表情がわかりにくいから」に尽きると思います。

マスクが顔のほぼ下半分を覆い、ただでさえどんな人なのか、どんな感情でいるのかがわからないうえに、さらに肌が露出する上半分もサングラスで隠してしまうと怪しさマシマシになってしまうのは必定。そこで踏まえておきたいのが以下のポイントです。

・フレームが細くて、できればレンズサイズが小さめ。
・レンズカラーは薄めの色をチョイス。
・やや透け感があって目の表情がわかりやすい。
・フレームの色は肌の色に近いヌーディーなモノを。
・あるいはやさしいニュアンスカラーのモノを。

また、マスクをしてサングラスをかけると、漏れた息がかかってレンズが曇ってしまいます。そんな時は、スリングタイプの鼻パッド(フレーム本体から独立して付いているパッド。隙間があるので吐息が抜けます)にすればOK。市販の曇り止めを活用するのもいいですね。