前編では、かつて文具メーカーである3Mからレコードがリリースされていたことが発覚しました。
中編ではなぜレコードをリリースするに至ったのかに迫ってみます。
まず手がかりをつかむために歴史を調べてみました。
日本語のページではあっさりした内容ばかりでしたので、日本語以外のWebページで探索してみました。
詳細な情報が出てきました。
こんな歴史を辿ってきた企業です!
1902年 アメリカミネソタ州で誕生
社名:Minnesota Mining and Manufacturing(ミネソタ マイニング アンド マニファクチャリング)
Miningとは採掘という意味で、3M社はコランダム(ルビー、サファイア)を掘り出すために発足しました。
※ 3Mというのはニックネームで、 2002年正式に3Mが社名になりました。意外と最近。
ちなみに日本法人は、1960年に海外現地法人として(アジア初のようです)日本ミネソタスリーエム株式会社として設立され、
吸収合併の後、1962年には住友スリーエム株式会社になります。
2014年には米3M出資比率が100%となり、社名はスリーエム ジャパン(株)に変更されました。
(出典「文マガ」:https://www.nichima.co.jp/news/entry/1932.html)
1905年 ダルースという都市へ移転
当初期待していたコランダムは採掘できず、商業的には不振が続きます。
ダルースでサンドペーパーの研究開発を続けます。
1916年より躍進が始まります。
1920年 防水サンドペーパーの発表(ガラスを磨く時に出る塵を激減させました)
1925年 自動車塗装用のマスキングテープを発表
1930年 デュポン社発明のセロファンを接着剤を合体させた透明なテープ、「セルローステープ」を発明(後にセロファンテープと改名)
※1927年にデュポン社により防湿セロファンが開発されています
創業後の危機から僅か15年余りでエポックメイキングな商品を次々と発表したのです。
新進気鋭の成長企業という感じになってきました。
1932年 卓上型テープディスペンサーを開発。鋳鉄製でなんと重さ3キロ。
1939年 セロハンテープ用のカタツムリ型携帯ディスペンサーを開発します。初代は板金プレス加工で作られ、翌年からはプラスティック形成にリニューアルしています。
39年発表のディスペンサーはおそらく日本では小巻と呼ばれているサイズではないかと思われます。
ヒントは「携帯」という表現だと思うのです。
先の1930年発売のセルローステープ画像を見ていると、うっすらと「3/4IN」と書かれているように見えます。
わかりやすいようにmm換算すると、3インチ=76mm。これは現在の大巻タイプの内径と一致するのです!
すると、1930年発売版は大巻。そして39年発売の「携帯タイプ」は小巻タイプだと推測できます。
この年代では、赤いタータンチェック(※)などデザインも現在の製品に通じるものが現れてきます。
※現在もSCOTCHブランド製品で、タータンチェックのモチーフがパッケージにデザインされています
1947年 本格的に建築業界へ乗り込みます(初めての社債発行)。そして同年、3Mはもう一つの革命を起こします。
一体なにがおきたのでしょうか。
漸く今回の本題に近づいてきました!
続く