名入れサービスの歴史は意外と古く、例えば、年末年始のご挨拶回りでよく見かける社名入りのカレンダーなどは、戦後の印刷技術の進歩とともに一般化していったようです。

販売促進や宣伝用のノベルティとして名入れグッズを作るためには、専用の版を起こして印刷や刻印を施す必要があります。それゆえ、かつてはプロのグラフィックデザイナーさんにデザインを依頼したり、場合によってはオリジナルの金型を製作したり、それなりのコストと時間がかかっていました。
しかし、今はこのサービスがぐっと身近になり、印刷会社や記念品製作会社といった専門業者さんはもとより、文具を扱う物販店、ECサイト、文房具メーカーでも気軽にオーダーすることができるようになってきました。
まずは、誰に贈るか、何に活用するか
文房具や事務機器を製造するコクヨさんでは、「コクヨ カスタムファクトリー」というサイトで、独自の名入れサービスを提供しています。
大まかな流れとしては、まずは会員登録を行い、筆記用具、文具、メモ帳やノートなど、コクヨ社製の商品群からお目当てのモノを選びます。そして、名入れ範囲の確認、お見積りなどを経て、申し込みとなります。
基本的には法人向けノベルティを想定したサービスのためか、最小ロットが決まっている(最低発注数が概ね100以上)のですが、事前に完成イメージを画面上で確認できるので、個人でも安心。前述したようなビジネスシーンにおける挨拶回りの手土産としてはもちろん、お子さんが通っている幼稚園や小学校の学年全員分のプレゼントをまとめて準備したい時や、地域や趣味のコミュニティでお揃いのオリジナルグッズを作りたい時など、きっと強い味方となってくれそうですね。
コクヨ カスタムファクトリー
www.kokuyo-customfactory.com/

オンリーワンの特別感を演出したいのなら
北は札幌から南は沖縄まで、日本全国に店舗を展開する東急ハンズさんでも、個人向けの名入れサービスを行っています。しかも、こちらはペン1本から名入れができるとあって、卒業祝いや就職・昇進祝い、日頃お世話になっている人へ気の利いたギフトを贈りたい向きにぴったりかもしれません。
ご存じの通り、東急ハンズでは生活雑貨をはじめとする幅広い商材を取り扱っていますが、名入れ加工に対応できるアイテムは店舗によって異なるそう(詳しくは店頭にてご確認ください)。それでも、筆記具を中心とした文具であれば、数百種類の中から選ぶことができます。
注文はいたって簡単。専用のオーダーシートに書体、名入れしたい文字や文章内容、名入れを施す位置といった必要事項を記入して申し込むだけ。例えば、ボールペンなら、お店が混雑してさえいなければ1本30分程度で完成するそうです。プレゼントのできあがりを待っている間、自分使いの文具を探してみるのもいいですね。
また、お店に行けない方々のためにネットストアからのリクエストも承っていますのでご安心を。仕上がりイメージなどもわかりやすく解説されているので、かなりスムーズにオーダーできますよ。
ハンズの名入れサービス
hands.net/season/gift/personalized-gift/index.html

ちなみに、コクヨさんでも東急ハンズさんではありませんが……
筆者がつい半年ほど前に購入した名前入りの万年筆がこちら。誰かに贈るギフトとしてではなく、自分が使うための筆記具を探していて、そのついでに名前を彫ってもらいました。

もうちょっとソリッドなゴシック書体にしたほうがよくない? とか、そもそも漢字じゃなくて欧文のほうが素敵じゃない? などなど、ご意見さまざまあろうかと思います。
当初はそんな後悔も若干ながらありしましたが、これはこれで気に入っているので、いいのいいの。
自分の名前が刻まれている。ただそれだけのことなのに、なぜだかぞんざいに扱うことが躊躇われ、大切にしてしまう不思議。コンビニで買ったボールペンはよく失くしてしまうのですが、この万年筆だけは、今も愛用のバッグのペン挿しにしっかりと収まっています。