今日はポストカードに関するおはなし。
ポストカードは、海外へも60円(2021年1月現在船便費用)で送れたりとても安価に送信できる信書(お手紙)で、とてもありがたいツールです。他にも額装したりするとインテリアとしても利用できたり用途の自由度も高いです。
私は文具店で勤務しているとき「ポストカードって置いてないですかー?」と聞かれると、すごくどぎまぎしてしまいます。
なぜなら置いてはいるのですが、品揃えに満足してもらえたことがないからです。
ちなみに用意しているポストカードコーナーへご案内するとお客様の表情は「これじゃねぇ感」満載で、私の心は恥ずかしさと罪悪感でいっぱいになってしまうのです。
そうです。お察しの通りお求めになっているいるものと用意しているものが根本的に違うのです。
文具店のポストカード
これは、ポストカードという機能をどう定義しているかを説明すれば明らかになります。
文具店:「手紙としてのカード」
この定義の場合、文字を書き込む場所が確保されていることがとても大事で、郵便枠が印字されていたりして控えめな柄行きが好まれます。
お客様:「小さな絵画としてのカード」
額縁にいれたら絵として展示できたりするような、古い言葉でいうと絵はがきです。
イラストや写真が全面に印字されていて、自分の所感を書く場所は想定されていません。宛名を書く側にお手紙スペースが用意されていることがよくあります。
一応文具店でも絵画的な意味のポストカードはあるにはあるのですが、お祝いの言葉、格言や青春の言葉が入っていることが多くアートの側面はかなり押さえられています。
きっとお客様は後者「なんかもっと絵になるカッコイイやつ」を探してるのだと感じます。
ステキなカードどこにある
というわけで、いつも期待に応えられない私なのですが、お客様が望むようなカードはどこで買えるのでしょうか。
手元のお気に入りカードを一枚ずつどこで入手したか思い出すと、ミュージアムショップ、海外雑貨を扱うライフスタイルストア、お土産物店、展示会の招待状、季節の挨拶状、イベントのフライヤーなど。
日用品を買うお店とは一線を画したお店、購入できないたぐいのカードに偏っています。
私見ですが、文具店は「ツール屋」という立ち位置で、感性を表現するツールは売っていても成果物である作品の販売は少しベクトルがずれるため、生産から販売まで一貫してやや消極的なのだと推測しています。
長くなりましたが文具店では以上のような理由でポストカードの品揃えはちょっと自信がありません。暖かい目で見てやって下さい。