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幻想画家は死ぬまでに使う筆を買い占める

前回アトリエ訪問をさせていただいた、画家七戸優(しちのへ まさる)氏のインタビューを掲載します。独特な雰囲気のアトリエでお聞きする話は、どれも興味深く、あっという間に時間が経ってしまいました。

アトリエ訪問時の様子はこちら「幻想少⼥たちが孵化するアトリエ」

サラリーマンを経てイラストレーターに

森川:大学って武蔵美(武蔵野美術大学)ですよね?

七戸:ええ。でも建築学科だったんですよ。

森川:じゃ、あまり絵は描いていなかった?

七戸:そうなんです。

森川:建築学科って、友人とかはインテリアデザイナーとかの仕事に就いたりするのですか?

七戸:ええ、卒業して3年間はゼネコンでサラリーマンしてまして、周囲はエリートばかりで自分は落ちこぼれというか…(笑)。それで「こんなことをやってられっか!」って辞めてしまったんですよ。

森川:あ、それ知ってます。バンドやってた頃のカセットマガジンに書いてあったのを読みました(笑)。

※実は森川は大学時代に一緒にやっていたバンド仲間が上京して、東京でバンドを組んだ。七戸氏はそのバンドのベーシストだった。

七戸:いやいや…お恥ずかしい(笑)。

森川:で、バンドはどうなったんですか?

七戸:うん。最初のライブでお客さんに「あがた森魚」さんが見に来てくれて、それでメンバーが緊張してしまってボロボロになってしまって(笑)。それ原因なのかわからないけど、自然消滅的な…(笑)。

森川:あの頃のあがたさんって、ヴァージンVSというバンドもやってて、稲垣足穂(※小説家)の世界を全力で演られていた時代ですよね。

七戸:そうそう。そこに趣味の合う人たちが集まってきた…って時代でしたね。

若い頃はベーシストだった七戸画伯

 

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