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大学ノートの「大学」とは?

学生時代から愛用している「大学ノート」。小学生だって、中学生や高校生だって使っているのに「大学ノート」と呼ばれているのは何故?その謎について調べてみると…。「大学ノート」の名称の由来は、あの大学のことだった!

小学生が使っても、大学ノート

「大学ノート」とは、多目的な利用を想定したノートのこと。

上部に見出し欄と日付記入欄がある他は、横罫線のみで基本的にマス目はないものが多い。

 

シンプルで飾り気の無いデザインは、大人になってからも重宝するノートの定番だ。

 

小学校の高学年の頃だろうか。大学ノートをはじめて使い始めたとき、なぜか少しだけ大人になったような気がした、そんな記憶がある。きっと、多くの人が学生時代から愛用している「大学ノート」。だが、こんなにも愛用されているのに、なぜ「大学」と名がついているのかは、あまり知られていない。そこで、なぜ「大学ノート」と呼ばれるようになったのかを探ってみた。

 

大学ノートのルーツは、東京大学

 

「大学ノート」を最初に誕生させたのは、東京帝国大学(現在の東京大学)の赤門前に店舗を構えた文具・洋書店の「松屋」。海外から帰ってきた東京大学の教授に勧められ、明治17年(1884年)にイギリスから洋紙を輸入し、手造りで綴じ合わせた洋式ノートブックを作成、販売。通称「松屋ノート」と呼ばれ、大学前の松屋はノートブック屋として人気になったそうだ。

 

「大学ノート」と呼ばれるようになった理由について、単純に考えると、松屋が「大学ノート」という名前で売り出した、というのがしっくりくるが、実は「大学ノート」と呼ばれるようになった説については、諸説ある。

 

説1◆製本されたノートが学生の間で人気となり「大学生がよく使っていたノート」からこれを学生が「大学ノート」と呼んだ、というもの。今でいう、若者言葉のようなものだろうか。

 

説2◆松屋で販売された少し後に、東大生の評判を聞いた神田の書店「丸善」が、イギリス製筆記用紙を大量に輸入し「大学ノート」と名づけて生産・販売した結果、世の中に広まった。

 

説3◆売り出し当時は明治時代。その当時の洋紙ノートは高価なものであったため庶民にはとても手が出せず、「東京大学に通うような高貴な人しか使えない」として、「大学ノート」と呼ばれていた。

ちなみに、当時(明治17年)の物価を推測すると、一冊の値段は7~8銭程。現代で言うと1400円~1600円位だそうだ。確かに、それだけの値段だと、ホイホイ手が出せるものではなかっただろう。

 

大学ノートの選び方

 

大学ノートに「大学」の名がついたルーツを知ってすっきりしたところで、次は選び方についても少しふれておこう。

 

 

 

線の幅の違いで選ぶ ~A罫・B罫 どっちがタイプ?~

 

 

大学ノートでよく見る「A罫・B罫」。実はこれ、線の幅の違いのことを示す。

 

A罫◆ノートに引かれた線の間(=罫幅)が7mmのもの。大学ノートやルーズリーフでもっともポピュラーな幅で、普通横罫とも呼ばれている。幅が広めなので、初めて大学ノートを使う人、字を大きく書きたい人におすすめ。

 

B罫◆ノートに引かれた線の間(=罫幅)が6mmのもの。中横罫とも呼ばれている。A罫よりも線の幅が1mm狭くなるため、記入できる文字の量が多くなるのが特徴。記載する文字の量が多い場合や、家計簿や手帳として使用するなど、行数が多いものを選びたい人におすすめ。

書きやすさ重視ならA罫、読みやすさ重視ならB罫を選ぶとよい。

ちなみに、他にC罫5 mm、U罫8 mm、UL罫10 mmなどもあるので、好みや用途に合わせて、線の幅にこだわってみては。

 

書きやすくなる機能で選ぶ

 

 

 

▼文字を揃えて書ける「横線ガイド」

罫線の間につけられた「横線ガイド」は、文字の大きさを揃えるのに便利な機能。バランスのよい文字を書きやすくなるため、後から見返したときにも内容がわかりやすくなる。文字の大きさを整えるのが苦手な人におすすめ。

 

▼図形などをかきやすい「縦線ガイド」や「方眼」

罫線へ垂直になるように入れられた「縦線ガイド」は、図形を描くときに便利な機能。家計簿や手帳として使用する際に、ノートを縦に分割するための線も引きやすい。また、規則正しい真四角のマスが書き込まれた「方眼」は斜線も引きやすく、表やグラフなど、より図形が描きやすくなるのが特徴。罫線を無視して自由にノートを使う際にもおすすめ。

 

 

シーンに合わせたサイズで選ぶ

 

 

大学ノートのサイズはA4・B5・セミB5が主流だが、一番よく使われるのが、セミB5だ。A4よりもひとまわり小さく、広げたときに使いやすいサイズ感。学生なら、通学バッグの中にもサッと収まりやすいだろう。

だが、A4やB5のコピー用紙を貼りたい場合には、少し小さいのが難点。目的や使う場面に合わせて、どのサイズを選ぶかもポイントとなるだろう。

他にもページの綴じ方や紙質など、種類が様々ある大学ノート。選ぶ手間を惜しまずに、自分にぴったりのノートを選べば、勉強も仕事も、モチベーションがアップするに違いない!