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奥原硝子製造所、ライトラムネ色の誘惑。

筆者の奥さんが沖縄に行くたびに、我が家にちょっとずつ増えていくのが奥原硝子製造所の琉球ガラスです。その色合いは、どこかノスタルジーを誘うようなライトラムネ色。今回は奥原硝子が手がける琉球ガラスをご紹介!

ライトラムネ色に魅せられて。

突然ですが、琉球ガラスってどんなイメージですか?

皆さんも沖縄に行ったときに、お土産物屋さんで見かけたことがあるのではないでしょうか?

もしくは沖縄の居酒屋さんで泡盛をオーダーすると、ビビッドな色合いの琉球ガラスのグラスで出てきたりしますよね?

筆者にとって、琉球ガラスといえば、コバルトブルーや瑠璃色で彩色された少し派手な(沖縄らしい陽気な)グラスというイメージでした。

ところが奥原硝子製造所のガラス製品は素っ気ないくらいのシンプルさ。

少しグレーがかったような、どこかくすんだような、絶妙なライトラムネ色がいいんですね~。

(もちろん奥原硝子ではビビッドな色合いのものも製造しています)

数年前に筆者の奥さんがそんなライトラムネ色の奥原硝子に魅せられて以来、我が家の食器棚には少しずつライトラムネ色のグラスが増えていきました。

廃瓶を利用した再生ガラス。

さて、琉球ガラス自体は明治時代には製造されていたといわれていますが、本格的に盛んになったのは第二次世界大戦後。

戦後の物資不足のなか、ジュースやビールといった色付きの廃瓶を利用してガラス製品をつくってみたところ、これがアメリカの軍関係者に大いに気に入られたのだそうです。

当時はその多くが軍関係者を通じてアメリカに輸出されていたんだとか。

もうこれは勝手な筆者のイメージですが、琉球ガラスにはコカ・コーラの瓶っていうか、なんとなくアメリカンカルチャーへの憧れのようなものが感じられるんですよね~。

いずれにせよ琉球ガラスの特徴は、廃瓶を再利用したリサイクルガラスってこと!

だからあんまり冷たい感じがせず、逆に素朴で、親近感が湧くのかもしれません。

現存する最古の琉球ガラス工房。

で、奥原硝子製造所ですが、最近では琉球ガラスといってもリサイクルじゃなかったり、派手な着色を施されているものが多いなか、奥原硝子は廃瓶を再利用した伝統的な琉球ガラスの製法を守り続けています。

創業は1952年。

これは現存する琉球ガラス工房でもっとも古いんだそうです。

場所は、那覇の国際通りの「那覇市伝統工芸館」の中。

というワケで、那覇の観光ついでに気軽に立ち寄ることもできます。

(ついでにグラスづくり体験も可!)

 

ライトラムネシリーズの原料は窓ガラス。

奥原硝子もいろいろな琉球ガラス製品を手がけているのですが、筆者が(筆者の奥さんが)気に入っているのがライトラムネ色のシンプルなグラスです。

その原料は窓ガラス。

ファンにはライトラムネシリーズと呼ばれているらしいのですが、筆者の家にあるグラスはグレーっぽかったり、単純に透明だったり(もしかして原料は泡盛の瓶!?)、どこからどこまでがライトラムネシリーズなのかは定かではありません。

でも、よく見るとガラスのなかに気泡が混じっていたり、ひとつひとつ微妙に形や色が違っていたり、はっきり言って形がいびつだったり、そのぼってりとした厚みが心地よかったり、とにかくグラスを通して「真摯なMONOづくり」の姿勢が感じられます。

なにより普段使いのグラスとして、フツーに毎日使えるのがいいんです!

筆者の奥さん曰く「工房に行っても、なかなか気に入ったグラスには出会えない」そうなのですが、皆さんも那覇に行ったら国際通りにある奥原硝子製造所に立ち寄ってみてください。

ちょっと琉球ガラスのイメージが変わるはずです!

ちなみに我が家にあるのはほとんどが正規の品ではなく、ワケありのB級品(500800円くらい)だそうです。

(だから形がいびつなのかは不明!)

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