防災グッズに文具は必要か?
防災意識が高まる昨今、自宅に「防災グッズ」を用意している人も多いのではないだろうか。「防災グッズ」と聞いて頭に浮かぶのは、水や食料、懐中電灯、ラジオといったものだろう。最近では一通りのアイテムが揃った「防災グッズ」商品も多数販売されているから、その中の1つを家に常備している家庭もあるだろう。
さて、その中に文具は入っているだろうか?
簡易なものであれば入っていないかもしれないが、実は筆記用具(特にペン・ノート)が入っているものもある。それはなぜか。国が発信している「災害の『備え』チェックリスト」の中に「ペン・ノート」が入っているからだ。
災害時はスマホなどの電子機器が使えない場合も起こり得る。そんなときに役に立つのが筆記用具。家族や友人の安否を伝えたり、情報をメモしたり…。被災時は字(その他、地図など)を書く場面というのが意外と多いのだ。
もちろん、避難所に準備されてはいるだろう。でも数に限りはある。そこで、普段から身の回りに置いておくと便利な、おすすめの「防災文具」を紹介しよう。
水の中でも書ける!耐水性抜群のメモ帳
「濡れても安心!」という、耐水性に優れたメモ帳は複数あれど、筆記用具次第では水中でも書ける、100%防水のメモ帳というのは、そうそうお目にかかれるものではない。でも、そんな驚きのメモ帳が存在するのをご存じだろうか。
それがオキナ社の「プロジェクト耐水メモ(※ノートもあり)」。濡れてもふやけないし、筆記用具次第ではにじむこともない。もちろん、破けることもない。
災害時には、給水や支援物資に関する情報をメモする機会や、伝言板に安否を知らせるメモを貼る機会もあるだろう。そんなとき、濡れてもにじまない、耐水性に優れたメモ帳というのは、かなり便利だと思う。
実際濡らしてみたのがこちら。
左から「水性ペン」「ボールペン」「鉛筆」となっている。さすがに水性ペンはにじんでしまったが、ほかの2つはご覧の通り。ボールペンは少しかすれてしまったものの、読むのに支障はないレベル。鉛筆にいたっては全く変更なし。「耐水メモ帳&鉛筆」は、最強の組み合わせだった。
ちなみにこのメモ帳、ユポ紙という素材が使われているのだが、選挙の投票用紙にも使われている。「ユポは破れない=選挙にも破れない」ことから、選挙ポスターに使う人も多いとか。
「マッキー」も防災グッズとして進化
続いて紹介するのは、油性マーカーの代表格「マッキー」の進化版、その名も「マッキーワーク」。キャップ部分に段ボールオープナーが付いており、「書く」と「開ける」が1本でできるというスグレモノだ。
避難所では段ボールを床に敷いたり、パーテーションの代わりにしたりと使用率が高いため、マーカーはもちろん、オープナーも大活躍。しかもオープナーはプラスチック製なので指を傷つける確率も低い。子どもやお年寄りでも安心して使えるだろう。
しかし、これだけにとどまらないのが、マッキーのすごいところ。もうひとつ、マッキーシリーズは「水拭きで消せる水性マッキー」にも注目したい。こちらは、ガラスやホワイトボードなどのツルツルした面に書けるだけでなく、濡らした布や紙でこすると簡単に消せるすばらしいペン。何度でも書き直せるしすぐ消せるので、メッセージを残したいときやメッセージを受け取った後にもとても便利な1本だ。
この2つは、普段の生活の中でも使い勝手がいい。マッキーワークは、通販でモノを買うことが増えたこのご時世に使えるし、水性マッキーは色のバリエーションがあるので、窓ガラスに文字を書けばちょっとした演出にも使えそう。特に記念日など、お家でお祝いする際にはピッタリだ。
ペン&ライト&ホイッスルが1本に集約
最後に紹介するのは、「ホイッスル付ライトペン」。こちらはキャップに白色LEDライト、後部にホイッスル(写真の透明部分)を備えた多機能ペン。ライトがあれば、暗がりの中でも文字が書けるし、仮に瓦礫などに閉じ込められたときにも、ホイッスルを吹くことで自分の居場所に気づいてもらえる。ビジネスマンなら、胸ポケットに1本入れておくだけで、思わぬ場面に遭遇した際に助かるかもしれない。
ライトはめちゃくちゃ明るいかというと、そうでもないのだけど…、暗がりで手元を光らせるだけなら十分。
ライト付ペンはこの商品以外にも多数あるが、後部にライトが付いている場合は、手元を照らせないので注意が必要。購入する際はライトの位置に気を付けよう。
最近では普段使いできる文具でありながら、災害時にも使える商品が増えつつある。
ここで紹介した文具も、そんな防災時の利用まで想定して開発された商品といえる。今ある「防災グッズ」のバッグ内に入れていても、そこまでかさばらないのもうれしいポイント。
普段から身の回りに置いておくのもおすすめ。そうすれば、いざというときにきっと自分や家族の役に立つはずだ。
もちろん、他にも多数の「防災文具」は存在するだろう。普段何気なく使っている文具も、視点を変えれば防災文具になりえるかもしれない。